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本田 吾郎

本田五郎 - 最もイノベーティブな金融商品『ETF』第二回-分散投資に適したETFの特徴とは?-

少額で分散投資ができる、株とインデックス型投資信託のいいとこ取りをした金融商品「ETF(上場投資信託)」の魅力について、「お金のデザイン」の取材でお話しする機会がありましたので、その内容を転載いたします。
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前回は「ETFとは一体何か?」ということを教えていただきました。今回は、なぜTHEOのようなロボアドバイザーがETFを運用しているのか、ETFならではの「特徴」についてわかりやすく教えていただきます。


「金」に連動するETFもある


――前回は、日経225(日経平均株価)やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数に連動するものや、業種ごと、ESG関連などさまざまな種類のETFがあると伺いました。もし自分でETFを買ってみたい場合、資産運用の基本と言われている「分散投資」という観点でいうと、他にはどのようなETFを買うのが良いでしょうか。

ETFには、多くの資産クラス(※)の銘柄があります。株に関連したETFに投資するだけでなく、債券に関連したものを買ってもいいですね。さらに債券の中でも、日本だけでなく先進国や新興国など世界のさまざまな地域に分散して少しずつ持つと良いでしょう。


より本格的に分散したいのであれば、「金ETF」などの中身が実物資産の銘柄に投資する方法もあります。実物資産は価値がゼロになることがないので、分散投資を考えるうえでは有用です。


ETFを買うだけでこういった分散投資ができてしまうというのはETFの魅力だと思います。


(※)資産の種類や分類のこと。 株式、債券、不動産、貴金属、などの種類がある。



「どういう組み合わせでどういったETFを買えば良いかわからない」という方は、ロボアドバイザーに任せてみるとか、あるいは証券会社の営業マンに聞いてみるのも良いでしょう。


――THEOも株中心・債券中心・実物資産中心、それぞれのETFを組み合わせたポートフォリオを提案しています。資産形成という観点で見ると、分散投資は重要ですよね。


そうですね、ETFは分散投資をしやすいんです。まだまだ一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、株などで長年投資をしてきたような玄人の個人投資家が最終的にETFにたどり着いた、というのはよく聞く話です。


最近の東証の調査によると、実は玄人の方以外に投資初心者の方でETFを買う方も増えてきています。どうやら御社のようなロボアドバイザーで資産運用をはじめて「ロボアドはETFというものを買っているらしい、どういうものを買っているのかな?」と調べているうちに、ETFに興味が出て、自分でも勉強をして、ロボアドにプラスアルファで自分でもETFを買ってみているようなのです。


これはETFをプロモートしている私たちとしては、驚きでした。ロボアドバイザーをきっかけに、もっとETFのことを知っていただき、資産形成に活かしてもらえると良いですね。


ETFにはプロに選ばれる“理由”がある


――THEOのようにロボアドバイザーにはETFを運用しているものが多いように思いますが、ETFの特徴や利点というのは何でしょう?


たしかにロボアドバイザーは、ETFと相性が良いと言えると思います。以前のインタビューでもお話しましたが、資産形成していくのであれば「分散投資」は非常に重要です。


そこで、分散投資を効率よく行いたい場合――例えば日本の株、アメリカの株、その他の国の株、株以外の資産、REIT(不動産投資信託)関連など、さまざまなものに対して投資を行う場合、ETFは「透明性」「コスト面」「流動性」の観点で優れていると言えます。


――「透明性」「コスト面」「流動性」ですか。それぞれどういう意味でしょうか。


ETFは、食材に例えると「豊洲(旧築地)市場」で買う魚のようなものです。どこで獲れたかがわかる食材を、そのまま買ってくることができるイメージです。他の投資信託は、同じ例えをするのであれば「スーパーで買うお惣菜」に近いと思います。ここがETFと投資信託の違いです。これがETFの一つ目の特性「透明性」です。



例えば東証に上場しているETFであれば、中身は何入っているかな?(何に連動するETFかな?)ということを常に開示しなければなりません。この「透明性」こそがプロに評価されている部分です。



また利点の二つ目として、高い運用コストがかからないということが言えます。通常の投資信託の場合、ETFに比べ割高な運用コストがかかることがあり、投資時期や期間・商品によってはマイナスになってしまうこともあるのではと思います。そういうコストの面も、ETFがプロに選ばれている理由と言えるでしょう。



そして、ETFは自分の好きな時間に売り買いができるので、「流動性」において優れていると言えます。通常の投資信託の場合、日本では1日に1回15時の終値の値段で取引します。要は注文した時点では、取引の正確な金額はわからないのです。ETFの場合は市場が開いている時間はいつでも売買することができます。



このような優れた特性があることから、ETFは初心者にはもちろん「プロ」にこそ選ばれている商品であると言えます。


――プロというと「機関投資家」ということでしょうか。



その通りです。日本でETFの知名度が増すきっかけとなったのは、2010年、日本銀行がETFを買うことを発表したときです。実は銀行は、みなさんが預けたお金を融資するなどの業務の他に、お金を運用して増やしていますが、その際にETFを活用しています。



アベノミクスのタイミングで日本株を買う機関や企業が増えたのですが、例えば「日本株に投資」する方針になった場合に、株そのものではなくETFを買うという企業が増えました。どの銘柄をどの程度買うべきかを検討するコストや時間を考えると、日本株が全体的に好調であるときには、個別の株を買うよりも、TOPIXなど多くの日本株に連動するETFを買う方が効率的です。



また、銀行の場合は企業に融資をしていますから、個別の企業の株を買う際には、インサイダー情報を持っていないかどうか細かくチェックをしなければなりません。その点、ETFはインサイダーの適用除外になっていますので、どの銘柄をいつ買っても、インサイダー取引に該当することはありません。個人でも、個別株を買ってはいけない職種の方(証券関係など)でも、ETFなら安心して投資することができるのです。



先ほどETFの特徴は「コストが低いこと」と「透明性があること」「流動性が高いこと」だとお話ししましたが、特に2008年にリーマンショックが起きたときは、この利点が顕著に現れました。当時は株などの価格が下がって困った方が多いと思いますが、流動性の低い商品の場合「売りたい時に売りたい値段で売れない」ということも問題になりました。



その点ETFは中身の流動性さえ高ければETFの流動性は供給しやすいので安心です。例えば日経225のETFであれば、中身の225銘柄の個別の流動性も高いため、より安心してお取引頂けます。



またリーマンショック時は自分が持っている商品にリスクの高い銘柄、例えば「格付けの悪い企業の銘柄」も入っているのではないか?と不安になる方が現れました。その点ETFに関しては、中身に何が入っているか毎日開示されています。この透明性が、特にプロが購入する商品としては求められている部分ではないかと思います。


――リーマンショックという緊急時に、ETFの利点が活きたということですね。


ETFはその「透明性」「コスト面」「流動性」によって、THEOのようなロボアドバイザーや機関投資家に選ばれているということがよくわかりましたね。


次回はこのインタビュー”最もイノベーティブな商品「ETF」”も最終回です。気になるETFの「リスク」についてお伺いします!

本田五郎 - 最もイノベーティブな金融商品『ETF』第一回-ETFは株とどう違う?

今回は、THEOも運用している「ETF(上場投資信託)」について、詳しく教えていただきに、東京証券取引所にやってきました!


――今回のテーマは「ETF(上場投資信託)」です。THEOは最大約30種類以上のETFを組み合わせたポートフォリオで運用をしていますが、お客さまから「ETFって一体何ですか?」というご質問をいただくことがあります。ETFとは、一言で言うとズバリ何でしょうか。


ETFを一言で説明するとすれば「リアルタイムで取引できる投資信託」と言えるでしょう。しかし「そもそも投資信託って何?」という方もいると思いますので、まず「株と投資信託の違い」について、お話しましょう。


「株式」の売買の場合は、買うタイミング、売るタイミング、どの銘柄を買うかなどを自分で判断して行う必要があります。東証に上場している企業だけでも何千社もあるので、どの株に投資をすれば良いかを考えるだけでも大変です。


「投資信託」というのは自分の代わりに運用の専門家(ファンドマネージャー)が、様々なところに投資をしてくれるというものです。自分の望む運用の趣旨に合った投資信託を選ぶと、あとは自分の代わりに、自動的に分散投資をしてもらえます。


――ETFは投資信託の一種ということですね。


そうです。さらに「上場投資信託」と言うだけあって、上場されているため株式と同じように、証券取引所が開いている時間であればいつでも売買ができます。


また投資には「パッシブ運用」というものと「アクティブ運用」というものがありますが、ETFは「パッシブ運用」に当たります。


――「パッシブ運用」「アクティブ運用」というのは具体的にはどういったものですか。


パッシブ運用とは、運用目標とされるベンチマーク(例えば日経平均株価や、ダウ平均株価など)を設定し、ベンチマークに連動する運用を行うものです。


ETFは「インデックス運用」でパッシブ運用の一種です。日経225(日経平均株価)やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法なので「平均点」を取るものだと思ってください。「安いコストで平均点を取ってくれる」運用方法なんです。


一方、アクティブ運用は、プロが独自の手法や分析によって、ベンチマークを上回る結果を目指す運用です。


例えば「この1年間、10%上がりそうな銘柄50個集めました!」という具合に、主にファンドマネージャーと呼ばれるプロが、時間もお金もかけて色々な情報を見て、取り扱う銘柄を決めて運用していきます。プロにお願いした場合、その分パッシブ運用に比べてコストはかかります。


――安いコストで平均点を取ってくれるパッシブ運用は安心感がありますね。


自分でETFを買うならまずどれを選ぶ?



――もし自分でETFを買ってみたくなった場合は、どのようなETFを購入すれば良いですか?


最初は、先ほどお話に出た日経225やTOPIXなどに連動するETFがおすすめです。


毎日ニュースで「今日は○円上がりました、下がりました」と株価が報道されていますよね。それと連動するので、ニュースにも興味がわきますし、わかりやすいです。


日本ではなくアメリカの株に興味があれば、S&P500など、アメリカの代表的な500社の株価に連動しているものもあります。まずは「わかりやすい指標」に連動したものを少しずつ持っていくというのが、特に初心者の方には適しているのではないかと思います。


――そういった「日経平均株価」などに連動するETFを買うと、経済の勉強にもなりそうですね。他にも種類はあるのでしょうか。


さまざまな種類があります。例えば中・小型株に連動したものなどは、大型株に比べて値動きが大きくなる傾向にありますが、個人投資家の中には変動の大きなETFを好む方もいます。


また「商社関連のETF」「銀行関連のETF」など業種ごとのETFもあり、例えば「この業種の規制緩和がされますよ」というニュースが流れたときに、その業種ごと一気に買うなどということも可能です。


――業種ごとというのはおもしろいですね。成長しそうな業種に人気が集まりそうです。


他に個人投資家に人気があるのが「高配当の銘柄に連動するETF」です。実績から高配当の銘柄を選んで組み入れています。また最近注目されているのは「ESG※銘柄」ですね。近年買う人が増えており、マーケットにもその兆しが表れてきています。


※ESG:企業が持続的な社会の形成に寄与するために、配慮すべき環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。


――ESGはSDGs(「Sustainable Development Goals」持続可能な開発目標)との関連もあり、近年注目されていますね。投資する上でも企業の社会的取り組みを重視している人がいるということですね。


「ESGに力を入れている企業が伸びるのではないか」と考えて、関連のETFを選んでいる人は徐々にではありますが増えてきています。ただESG関連のETFのリターンを実際に研究した結果では、まだまだTOPIXとあまり変わらないのではないか、とも言われていますので、慎重に見ていく必要はあります。


しかしこの「ESG銘柄」には面白い点があります。「投資はしたことがなかったけど、ESGには関心があるので投資をやってみようかな」という理由で投資を始める方が最近増えているということです。投資家層の裾野の拡大を目指して活動している私たちとしては、ESGが一つのきっかけになりうることに新鮮な驚きがありました。


――それはおもしろい傾向ですね。


いかがでしたか?


ETFというものが一体何か、またどのような種類のETFがあるかを学ぶことができたのではないでしょうか。


次回は引き続き、THEOも行っている「ETFによる分散投資」のお話を伺います。お楽しみに!

本田吾郎 - ETF(上場投資信託)とは?

ETFとは取引所に上場している投資信託のこと


株式同様に取引所が開いている時間にリアルタイムで取引可能


投資信託同様に少額で分散投資が可能


投資信託よりも低コストの商品が多い

そもそも"ETF(上場投資信託)"とは


ETF(イーティーエフ)とは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動する成果をめざして運用され、東京証券取引所などの取引所に上場している投資信託です。


株価指数だけではなく、債券や通貨などに連動することもあります。投資先も日本のみならず海外に広がっており、個人投資家が投資しづらい国・地域や資産に投資しやすくなりました。

ETF(上場投資信託)の魅力
好きなタイミングで取引できる
投資信託は1日に1回だけ値段が決まり(基準価額)、その日に決められた基準価額でしか売買できません。
一方、ETF(上場投資信託)は取引所に上場しているため、投資信託といえども株式同様に取引所が開いている間はリアルタイムで売買できます。

少額で分散投資が可能!


株式投資で分散投資を行う場合、まとまった資金が必要になります。


たとえば自分で東証株価指数(TOPIX)※に連動して株式投資をしようとすると、数十億円ほどの資金が必要になります。
そこで東証株価指数(TOPIX)に連動するETFを1つ選ぶことで少額から東証株価指数(TOPIX)に投資できます。

低コストで取引できる


ETFは一般的に投資信託よりも信託報酬が低く設定されていることが多いため、低コストで取引・保有できます。